《MUMEI》
兄妹
「今日、仕事で遅くなりそうだから、ご飯は適当に済ませてくれる?」

そうやってお母さんから電話がかかってきたのはついさっきの事。

最近こんな事ばかりで、別に驚く事でもなかった。

でも時々心配になる。

そんな事を思いながら、ふと4歳年上の兄・悠斗に言わなくてはと思い、悠斗の部屋に向かった。

「お兄ちゃん?今日もお母さんが帰り遅いから適当にご飯済ませてって言ってたよ。」

私はお母さんに言われたように悠斗に伝えた。

「うん。わかった。」

いつものような愛想ない返事が返ってきた。

邪魔してはいけないと思い、直ぐにその場を立ち去った。

なにしろ悠斗は、受験生なのだから。

今までろくに勉強しなかったくせに・・・と、時々思う。

私には関係ない事だと思っていた。

どうでもいいと思っていた。

それでも、応援しようという気持ちは少なからずあった。

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