貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》序章
夕焼け、霞んだ声。
うん、よく覚えてる。
何も特別な場所ではない、街の公園で。
君は小さなベンチに座り、僕は向き合って座っていて。
遠くの方で電車が通る音が聞こえ、他は無音に近かった。
「もう嫌なんだ。何が嫌かもわかんないぐらい」
それだけ、それだけを繰り返している君。
僕は何も言わなかった。
ただ、夕焼けを見て聞かない振りをしてた。
僕には人の痛みなんてわからないし、人の傷痕を治す事なんて出来なかったから。
君が疎ましくて、邪魔で、大嫌い。
そんなそぶりを見せたかもしれない。
だけど、本当は好きだった。
だから、僕を−
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