《MUMEI》

「あっ、珠季──、?」

「‥‥‥‥‥‥‥」

アタシは

ただ黙ってメガネに向かって進んだ。

「おい」

「何だい」

「アタシと勝負しろ」

「君は昨日トランプタワーで負けたばかりだろう」

「だからリベンジすんじゃねーか」

「君と張り合うつもりは無いね」

「負けるのが恐ぇのか?」

「負ける? 僕が君に負けると思うか」

「ふーん、相当自信、あるみてーだな」

「当たり前だ。僕が君に負けた事は無い」

その台詞にカチンときたけど──

取りあえずスルーした。

「おし、じゃあ神経衰弱で勝負だ」

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