《MUMEI》
公園で
「あのさ、最近、おかしくない?あいつ。」
(やっとかよ…)
あたしはきっ、と九郎を睨み付けた。
「誰が?」
「ギャルだよ、ギャル」
秋奈のこと。
「なんかあからさまに避けられてるし、なあ、なんか知らない?」
「……」
「なぎ?」
「九郎さぁ、この前、女の子と出かけてたよね」
「何で知ってんの?」
ポカンとする九郎。
「見たんだよ。たまたま。あれ、誰?」
「あー…、告白されたんだよねっ」
出たー…
「付き合ってんの?」
「まさか。断ったよ。でもさ、一度だけ遊びたいっていうから、さ」
はあ。ため息をつく。
「なんだよ~」
「秋奈も見たんだよ、それ」
目が開く。
「…まじで」
「一緒にいたんだよ。めちゃめちゃ泣いてたよ、そのあと」
固まる九郎。
あたしは、全部話すことにした。
「秋奈ね、この前、あたしとチカに相談してきたんだよ」
「相談?」
「顔真っ赤にして、「告白ってどうやるの」って。」
「!」
「何でする気になったのって聞いたらさ…」
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