《MUMEI》 「猪狩、 強引に行くな。」 「…」 「わかってるとは思うけど今の赤高は、」 「うるせぇ!!」 「なっ…!!」 「説教してんじゃね〜よ!! いいから俺にパス回せばいいんだよ!! 点取るには俺にパスするのが手っ取り早いんだよ!!」 「そんなのチームじゃない!!」 「チーム!? 寄せ集めで作っただけだろ!? 最初っからチームなんかじゃね〜んだよ!!」 「ちょ… クロさん、 猪狩も。」 「翔太は黙ってて!!」 「…」 (はぁ… クロさんも引かない人だからな…) 「おい!! 時間止めろ。」 「はっ…、 はい!!」 「何?」 「知らない。 猪狩とクロさんがケンカしてる。」 (あ〜小太郎… 口喧嘩になると引くことを知らないからな…) 「勝つ為にやるって言ったのはお前だろ!! 話くらい聞けよ!!」 「勝つ為に俺に回せって言ってんだよ!!」 「だからそれがおかしいって言ってんじゃん!!」 「ちょっと!!」 ギャラリーから声がし、 思わず声のした方を見るクロ。 「小太郎!! 皆に無理言って来てもらったんでしょ!! いつまでも喧嘩してたら嫌な気分にさせちゃうでしょ!! 止めなさい!!」 ギャラリーから声を出したのは、 藤田美紀だった。 「ふん!!」 「ちっ…!!」 とりあえず喧嘩を止める2人。 「皆ごめん。 せっかく来てくれたのに嫌な気分にさせちゃったね…。」 「や、 大丈夫すけど…。」 (そんなことより普通にビビったわ…) 「…さぁ、 もういいすか? 始めましょ。」 溜め息混じりに翔太が言う。 「うん。 ごめん。 もう大丈夫。」 猪狩チームボールから、 試合が再開される。 前へ |次へ |
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