《MUMEI》

(やべぇ…
こんなに連取されるなんて…)


市民体で赤高と対戦していた千葉は、


再び赤高の恐怖を感じていた。


(そりゃあ恐くもなるさ…


赤高の武器は機動力。


皆そう言ってるし、


確かにそうだ。


でも、


こいつらの本当に恐いのは機動力なんかじゃない。


流れに乗ったら留まる所をしらないその爆発力にある…


やべぇな…


どうにかして勢いを止めないと…)







「ナイッシュー!!」


沖のシュートが決まる。







「はぁ…


はぁ…


くそ!!」


(どうなってんだ!?


勝ってるんだぞ?


なのに…


この追い詰められてる感じはなんだ?


俺はこの試合に勝たなきゃなんないんだ…





いや…、


そうじゃない。


俺は、


もう負けたくないんだ。


嫌われたっていい…


もう1度…


この試合に勝ってもう1度…


頼むから…


俺にハンドをやらせてくれ…)


「猪狩…」

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