《MUMEI》

先生が何か話してる。


逃げるのにかかったタイムの発表とか。


知らね〜よ。


よし!!
今度はそのタイムを上回るぞ!!


なんて考えなんないし。


「クロクロ。」


「ん?」


僕と美紀が座る最後尾。


そのさらに後ろから僕を呼ぶ声がした。


「ヤマ!!」


「よ!!」


「ちょ美紀!!
場所変わって。」


「え〜!?」


無理矢理美紀と場所を変える。


「ダルイな。」


「ね。
何で避難訓練なんかやるんだろ?」


「知らね〜よ。
校長に言え。」


「校長いないじゃん。」


「またか…
校長って常にいないよね。」


「ね。
僕入学式と卒業式でしか見たことないよ。」


「くはは!!
それは言い過ぎ!!」


「ちょっと!!
怒られるよ!?」


美紀が口を挟む。


「いいじゃん。
どうせ誰も聞いてないって。」


「そうそう。」


「阿久津見てみ?」


「え?」


「どこどこ?」


「ほらあそこ。
地面に絵描いちゃってるもん。」


「くくく…
笑わせんなよクロ。」


「石投げよう。」


「阿久津に?」


「うん。」


「やめなよ。」


「じゃ美紀投げて。」


「何であたし!?」


「お願いお願い!!」


「絶対イヤ!!」


「今度お前の観たがってた映画一緒に行くから!!」


「そういう問題!?」


「マジお願い!!」


「もぅ…
怒られても知らないからね。」


「やるんかい!!」


「だって映画観たいし…」


「じゃあ早く早く!!」


美紀が石を投げる。


「いたっ…!!」


「ヤバい!!
ヤドンに当たった!!」


「くはははは…


おま…


ヤドンに当てんなよ…」


「めっちゃキョロキョロしてる!!


めっちゃキョロキョロしてるよヤドン!!」


「美紀もう1回!!
もう1回ヤドンに当てて!!」


「絶対イヤ!!」


「今度はさ?
今度はさ?」


「なになに?」


「モンスターボール!!
って言って投げて!!」


「くはははは!!


ヤバい!!


それヤバい!!


鉄板!!」


「もうイヤです!!


ホラ!!


話終わったよ!!」


「マジか…


意外とおもしろかったね。

避難訓練。」

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