《MUMEI》

「どうして地図なんか持ってるの?」


「最初にここに来た時、誰がどの部屋なのか分からないため、地図を見て覚えるんです」


「そうなんだ」


女の子は丸まっている地図を雹里に渡した。


「ありがとう」


「いえ」


雹里は地図を広げた。


地図はA4サイズで5枚もあった。


一番上にあったのは、城の全体の見取り図だった。

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