《MUMEI》 困った……。 成す術無くした俺は、 ただ亡霊のように都会の町並みに紛れ込んでいた。 どうしよう……。 住所は分かっているのに。 肝心の場所が分からない。 「あ〜っもう!!」 遂に苛立って、 思い切り誰かの肩にぶつかってしまった。 そんなことにも気付かずに、 苛立ちを押し殺しながら歩いて行くと、 「謝れや、兄ちゃん。」 ガシッと力強く右肩を掴まれた。 はい? 僕のことですか? 背筋が冷たくなるのを感じた。 前へ |次へ |
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