《MUMEI》 バナナを食べ終えた俺は、 豪田に掴み掛かった。 「バナナを舐めんなよ!」 「はい?」 豪田と周りにいるチームメイトは目をパチクリと見開いている。 「バナナはなあ! すっげぇ力出るんだからな!」 「いや、蓮翔…。 話しずれてるから。」 豪田が苦笑しながら落ち着け、 と俺の肩に手を掛けると、 「明日、滝澤颯馬の試合があるだろ?」 目を輝かせてそう言った。 あ、そうだった。 明日は颯ちゃんの試合だったっけ。 「もちろん、行っていいんだよな?」 「え?」 俺はしばらく考え込んだ。 行っていいんだろうか……。 確かに颯ちゃんは行っても良いと、 承諾したけど……。 今の颯ちゃんは却下するんだろうなぁ。 「滝澤颯馬は良いって言ったから、 大丈夫だろ。」 「そうかな……。」 「大丈夫だって! 明日、時間帯だけ教えてくれりゃ良いからよ!」 頼む!と、チームメイトの山村が顔の前で手を合わせた。 良いのかな……。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |