《MUMEI》 「ナイッシュー!!」 てんさ〜い!! けんざ〜い!! やっぱ僕とヤマのコンビは最高だ!! つ〜か… やっぱハンド楽しい!! まぁ… 試合前は天才なんて言わないけどね。 凡人を装って、 油断を誘う。 翔太が勝利中毒? 僕だってそうだよ。 や… スポーツやってりゃ全員勝利中毒だと思うけどね。 「おい!!」 「?」 翔太が怒鳴る。 何事かと思い振り向く僕ら。 「フリーで外すなよ!! 試合でフリー外したらチームの士気に関わんだぞ!?」 翔太… 厳しいキャプテンだな。 「もうすぐ大会なんだぞ!?」 え…? 大会? 「大会あんの?」 近くにいた1年生に聞く。 「そうすよ。 県民体が。」 県民体… なるほど… そういえばそんなのあったね… 「気合い入れろって!!」 「はい!!」 …何だ? この違和感。 おかしいな… 僕… 今ハンドボールやってるんだよ? なのに… 何でこんな、 嫌な感じがするんだ… 心臓の鼓動が早くなってる。 ワクワクしてるんじゃない… 気を抜いたら… 過呼吸になりそうな… この嫌な感じ… 前へ |次へ |
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