《MUMEI》

‥また負けた。

「‥ちくしょ‥」

つーか疲れた‥。

「立てないのか」

そう言って差し出して来たメガネの手を

アタシは乱暴に振り払った。

「オマエに手なんか貸してもらわなくたって立てる」

そう言ったら

メガネは

またフッと笑った。

「元気そうで何よりだ」

「‥そりゃどーも」

スカートに付いた砂を払って立ち上がる。

「‥‥‥‥‥‥‥」

「今度勝負する時は──‥もっと練習しておけよ」

「‥っ?」

「君とは、本気で勝負をしてみたいからね」

「‥!?」

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