《MUMEI》 唖然と立ち尽くしていると、 シーフォードの高らかな笑い声が聞こえた。 「相変わらずそそっかしい奴等よ。」 「あの……彼等は?」 「ん? ああ、初めまして見る種族だったな。」 「はい。」 「奴等は海に住まう種族だ。 人間からは魚人や人魚、 そう呼ばれておるな。」 「はあ……。 何故あんなに急いで?」 「ああ……。 王家の者は奴等二人しかいないからだよ。」 「え? あの二人だけ? 王様や王妃様はいないのですか?」 すると、途端にシーフォードの顔が曇った。 「まさか……。」 「そのまさかだよ。 彼等の父親……母親は暗殺された。」 「そ……んな……。」 誰が、どうして? 頭を打たれたみたいだった。 「そして私がここにいる今、 海は奴等二人でしか守る術はない。」 そうか……。 だからあまり海を離れる訳にはいかないんだ……。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |