《MUMEI》

『夢……か、インポッシブル・ドリーム(見果てぬ夢)だったわね、用務員さん?』


ズズ…ズ…
用務員の足を持ち、引き摺り、自分の外車のトランクに詰め込む。


『ふう!人通りの無い所で助かったわ。

外車のトランクは大きいから、人1人位軽く入る…

これで、もう手掛かりは消えた。

後は出て来るかどうか分からない、紫の服の娘だけ……

私の心を、受け入れなかった神野先生?…

あなたは鉄格子の中で、何を考えてる?

死刑までの、タイム・リミットが…静かに近付いているのよ。

杳子……

ほら…あなたのすぐ後ろに…やがて、あなたの足下から、幸せが崩れ去っていくのよ…

波打ち際の…砂のように…

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