《MUMEI》

佳代はなづきと後ろの座席に固まって授業の油絵を進めていた。
最前列の対角線上にルナが座ってスケッチしている。
他の部員の和やかなムードの中でひらすら無言で描き続ける二人を見て、佳代はやや気まずかった。




しかし最後まで残るのはなづきとルナだった。

「バス時間迫ってるから先帰るね!なづきあまり暗くならないうちに帰りなよ!
……この美術大好き共が!」なづきの背中を叩いて佳代は走って廊下に出た。

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