《MUMEI》

「別に‥恨んでる訳じゃねーよ」

「なら何故──」

「アタシが勝ったら教えてやる」

「それじゃあ当分無理そうだね」

「ッ‥悪いかよ」

「いいや。でもそれまで延々と君に付き合わされるんだと思うと──先が思いやられるけどね」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「どうかしたかい」

「‥べ・つ・にっ」

ぶっきらぼうに

そう言って‥

またアタシは

ソイツから目を逸す。

でも‥

変な感じは消えなくて‥

おまけに何だかモヤモヤしてきた。

メガネは

全然そんな事には気付かない。

悠々と‥

読書に耽ってる。

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