《MUMEI》

「腹が減っては戦は出来ぬやな。」


「もしかして……お腹が空きすぎて、


僕を殴れなかったんですか?」


「そや。」


「そや、て……。」


「ホンマ旨いなあ、


このおにぎり。」


「ああ、


それは婆ちゃんが作ってくれたんです。」


「誰がおにぎりの自己紹介せぇ言うた。」


「はい?」


「はい?


やあらへんやろ。


俺はおにぎりの感想を述べただけや。」


「そうですか。」


「そや。」


なんかこの人といると調子狂うな。


僕は足速にこの場を離れようとした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫