《MUMEI》
蒼いブレスレットの謎
俺と純が、ホテルに入ったところから、物語は始まる。

俺は夢山滝。

数年後に解散したリメンバーズだが、ある日突然仲間同士が集まった。

因みに、リメンバーズとは能力者の組織の名前である。



「なんですか!いきなり!もう戦いは終わったでしょう!?」
俺は上司に殴りかかりそうになった。

「やめなさい!」
後ろに居た瞳が声をかける。みんな仕事着だった。

「…なんだよ…」

「私たちには、上司を叱る権利なんてなかったはずよ…」


「…瞳」

能力者が偉いわけでもない。
上司が俺達を仕切る訳だ。

「…滝」
「は?」

今まで黙っていた上司が口を開いた。

「あまり無理はするなよ」
「それだけですか…?」

上司はしばらく、時間を置き返事を返した。

「そうだ」

「…余計なお世話だよ、滝はまだ十分力を持っているんだ」

「いや、しかし…」
「しかし?」

上司はしわ寄せをした。

「…なんでもない。せいぜい、戦闘時は気をつけたまえ」

そして、俺達は自分達の持ち場へ戻って行った。



「…純!」

帰りは雨が降っていた。
「なんだ?滝」
俺と純は男同士なのに、付き合っているんだ。


「…ちょっと、ホテルに行かない?」
長い髪を、俺は強引に掻き上げる。


「いいけど…」


そして、タクシーでホテルに行き、キーを貰い、早速部屋へ移動した。


「純…」
「どうした?」

一番リメンバーズの中で長身を誇る純。鉢巻をはずしながら、こちらを見ている。


「あ…あのさ…俺、先に疲れたから…横になっててもいい?」

ほどき終わると、笑った。
「あぁ、いいぜ」

そして、俺は下着姿になり、そのまま…ベッドへ眠りについた。



(…少し、遊んでやらなきゃ…面白くないよなぁ)


俺が寝ている傍で不敵に笑う純の目線があった。


(…滝…少しだけ、意地悪になってもいい?)

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