《MUMEI》
あずさに乗って
「あずさって本当にあったんだな!歌の世界だけかと思ってた!」
「…はは、マジで?」
聖ちゃんは大はしゃぎで窓から景色をみたり向かい合わせで座る俺を見たり忙しい。






今日は12月24日、



クリスマスイヴ。




三週間前に聖ちゃんがホテル予約しろだなんていきなり大騒ぎして、俺は血眼になって探した。
(前回の話参照)

しかし騒ぐのが遅すぎて、都心部のホテルなんてとても予約できなかった。

何処もいっぱい。ラブホなんか更にいっぱい。

ちょっとづつ住んでいるところから離れながら探していたらなんと長野県になってしまった。
いや、本当は何箇所か近場であったんだけどべらぼうに高かった訳で…。
あの聖ちゃんの剣幕だと(俺が悪かったんだけど)必然的に全額俺持ちって感じだったし、俺は自慢じゃないが一般家庭の子供。
そんなに余裕がある訳じゃない。

パソコンで検索していたら、長野はなぜかなぜか安いペンションが多かった。

更に空もあって俺は迷わず、今日泊まるところを予約した。
電車代払ったってかなり安いところを上手く見つけられたから。
画像で見るかぎり料理も良さそうだったし、本当にクリスマスの時期にこんな金額ありか?って位爆安で…。

まあ、他にも安くなってしまった理由もあるんだけど…。


「遠くてごめんね?」
「え〜!逆に嬉しいよ!4時間も電車に乗るなんて初めてだもん、普段家族で移動って言ったら車だし、遠くは飛行機だし!あ〜それにこの電車の中の冷凍みかん憧れてたんだ〜」

幸せそうにみかんを剥く聖ちゃん。


やっぱり可愛いな…


今日は久しぶりに…



フェラしてもらえるかな…。

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