《MUMEI》
「――――若菜ごめん、」
「そういうときは、 愛してる でしょう!」
若菜は樹の部屋で制服を着込む。
上半裸の樹は冷蔵庫から冷えた飲料水を差し出す。
「伝えきれないくらい、若菜の事感謝してる」
そう言って、若菜の唇に触れ合う。
「んー……なんか樹ってズレてる、もしかしてわざと、はぐらかしてたり?」
彼女は受け取った水を一気に飲み干した。
「お代わりしますか?」
樹は若菜のコップを上からつかみ、取る。
「……プ、なんで敬語?」
インターホンが鳴る、
郵便受けに回覧板が差さっていた。
「緊急回覧板だった……」
内容に目を通す。
プリントが一枚
樹は固まる。
「何何?」
若菜が覗き込んだ。
「ねぇ、これって……殺人……?」
彼女は険しい顔つきで独り言を発した。
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