《MUMEI》

「母さん、笑ってる……」


「そりゃ、笑うわよ……何、私を見て笑ってない?」


「違うよ〜母さん見る前から笑っていたもん〜……」

互いに顔が緩んでしまうという不思議。


「でも笑ってるでしょ?」


「つられ笑いだってば」

二人共、頬の筋肉が上がりっぱなしになっている。




「なんかカワイー、この親子。」


「はっ?!」

何故、年下の彼の方が私より落ち着いてるのか?


「母さん、綺麗は言われ慣れてるけど、可愛いの免疫は無いんだ……」


「それと今のは関係ないわ」


「ないわ?」

しまった、またイントネーションが訛った。


「やっぱ母さんに訛り教えてもらおう……かわいー……」

母親をからかうなんて、そんな子に育てた覚えは無いというか、あまり育てた覚えが無い……

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