《MUMEI》

[蒼視点]


自己嫌悪に陥った俺に呆れたのだろうか?


櫻の手が俺から離れた


…寂しいじゃねーかよ





…って、今、俺何考えてた!?


寂しいって何だ?





まぁ、あれだ


ここには、俺と櫻しかいないわけだし


広い空間に二人だけなら、寂しくても…


って、そんなわけあるか!

ツッコミを入れた俺は改めて櫻を見つめた





…何だか、胸をおさえている櫻は





色っぽ…


違う


可愛…


違う!


こいつ、心臓悪かったよな

…でも、今は平気のはず…


てゆーか


「何で謝るんだよ」


今まで自分にツッコミを入れていた俺は


挙動不審な櫻にツッコミを入れた


「悪いのは、お前の質問に答えない俺だろ?」


すると


櫻の大きな瞳が


これでもかという位開いて


また、真っ直ぐに俺を見つめてきた


…あぁ、もう


認めよう


降参だ


俺は、多分


本当に、多分、だけれど


きっと


櫻が


好き、なんだ


これが


きっと、多分


恋、なんだ


うわ、恥ずい、何か

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