《MUMEI》 《で? 何の用だ? 百番目》 「その呼び方やめろ」 俺は桜花を睨んだ チクショー 櫻の親父でなかったら、ぶん殴るのに… 《話があるのでは無いか?》 俺の発言スルーかよ けど、話があるのは本当だから、俺は頷いた 《ここで話して良いのか?》 桜花は櫻を見た 「仕方ないだろ」 本当は嫌だけど、櫻はこの桜 千年桜からは離れられない 《…ふむ》 何だよ 《裏に回って小声で話せば問題無い。 櫻は動くな》 『動くな』 桜花の言葉に櫻は固まった 「おい…」 《早く来い、百番目》 スッ 櫻を心配する俺に、桜花はそれだけ言って、姿を消した 仕方ねーな 「行ってくる」 俺は、櫻にそう告げて、異様に太い千年桜の幹に沿って歩き 丁度、櫻と背中合わせになるような位置で 足を、止めた 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |