《MUMEI》
布団は分けられた
「光の小さい頃の写真無いですか?」

国雄、俺が何年も苦戦した母さんとあっさり話せちゃうし。


「プライベートは無いわね、仕事ばかりだったから、事務所にならあるかも。」

母さんと話せたのも国雄のお陰だ。


「楢林さんに言えば見せてもらえそう。」

楢林は俺のマネージャーである。


「いや、そーゆうのはいいから。」

昔の仕事なんて広告とか雑誌モデルとか、半裸とか裸(オムツCM)とか、一言発する端役とか、とにかく恥ずかしいのばっかりだ。

プライベート写真みたいに思い出も希薄だし恥以外のなにものでも無い。


「中々、笑えなくてね。苦労したわ……」

母さんもよく覚えていらっしゃる。


「本当、そういうのはいいからっ!」

恥ずかしいって、国雄にそれ以上弱みを見せたくないです。


「子供の頃はすぐに泣くのよ。」

だって子供だもの!母さんの言う子供って2、3歳でしょ!


「今も泣きますよ。」

それはそっちが泣ーかーせーてーるーのー!


「光がこんなに表情豊かだとは知らなかったわ……。普段、小ばかにしたような物言いだったでしょう?」

……顔に出していたのか。
国雄とこうなる前は荒んでたからな……落ち着いてこうして話せたのは初めてのことだ。


「躾ましたから。」

はい、躾られました。

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