《MUMEI》
裕斗の軟らかい髪に指を絡ませ、唇を夢中で俺は、求めた。
いつも冗談ばかり吐いている唇が今は俺の唇に合わさっている。
熱くほてりだした体に冷たいシーツが心地良い。
舌をきつく吸われ、転がされると、俺は耐え切れずに声を漏らした。
「…フ、ンッ……、ハッ……ハァ……」
裕斗の唇が俺の顎から耳元、首筋、鎖骨へと辿り、また耳元へと戻る。
俺を安心させるかの様に胸元を撫で、脇腹をなぞり、そして緩く抱きしめられた。
「……はぁあ…」
細いけど、ちゃんと筋肉のついた背中。
縋る様に指先で探ると、耳元に裕斗の熱い吐息を感じた。
「…このまま抱いてもいい?」
「今更止めたら殺す、もう、溶けそう…」
耳元に少しだけ笑い声がして、髪に短いキスを落とされた。
つか、こんな緩い愛撫……初めてっつーか……。
隆志は、優しい様でいて荒々しいから…。
なんかもう…
内部からじわじわと溶かされて、心もなんもかもフニャフニャだ。
伊達に大人の男と付き合ってる訳じゃない、本当のセックスを裕斗は知っている……って感じがする。
なんて…
多分なんだけどさ。
だって、こんなにふわふわなの、初めてだ……。
「…、ふ、…そんなに、優しくしなくても俺、…慣れてっから…」
「…いいから黙って任せてろ」
「…あ!、ハァ、はぁ〜…、ハー……」
指に唾液を絡ませて少し俺の中に挿れては出ていき、また濡れた指が挿ってくる。
無理がない様に全く違和感を感じる事なく、確実に密部を解されていく。
感覚で指が三本に増えてきたのがわかる、だけど苦しくなくて、ただ切ない感覚だけがそこから広がって…
俺は裕斗の肩にしがみつきながら奮えだす快感に身を任せる。
残りの手で俺の高ぶりの先端をやんわりと転がされて、
「ぁあ…、じれった…い、ゆうとー…、じれったいよー…」
「うん、わざとだから……」
「ひで……、フゥウー……」
中のイイところ、全然押してもらえない。
気持ちイイけど、こんなに広げられているのに物足りない。
前も気持ちイイけどじれったい。
「ン〜ッ……、ッ、……フゥ…ウ…」
「泣くなよ」
「だ、だって…」
俺の中から指がぬるりと抜け、裕斗が俺に覆いかぶさってきた。
後ろが急に寂しくなった半面、全身が裕斗の重みと体温に包まれて酷くホッとしたりもして。
背中に腕を回すと唇が久しぶりに重なってきた。
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