《MUMEI》

「してクラウドよ。」


「はい。」


「お主はこれからグレイドの家に行ってもらう。」


「え!?

俺のですか!?」


どうやら急な話しらしい。


「うむ。

良いであろう?」


「まあ、はい……。」


渋々といった様子でグレイドが頷いた。


「よ、宜しくお願いします。」


「……ああ。」


なんだか嫌な顔してる?


グレイドの物凄く嫌そうな顔を見て、
不安になった。


「それではもう良いぞ。
疲れたであろう?

明日のためにも今日はゆっくり休むと良い。」


「はい。

有り難う御座います。

失礼します。」


「し、失礼します。」


俺達は、この薄暗い部屋を後にした。





部屋を出るや否や、
グレイドが言った。


「覚悟しとけ?」


へ?


「何をですか?」


「俺の家、
覚悟しといた方が良い。」


「え?」


何かあるのかな?


もしかして恐ろしい顔をした怪物とか?


そう思って尋ねようとしたのだが、
やめた。


グレイドが凄く真剣な顔して考え込んでいたんだ。


俺は、黙って聞いていることにした。

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