《MUMEI》 先生「先生・・・・?」 先生の腕の中に居る。 「落ち着いたか?」 「・・・・・」 「うん」と言ってしまったら、その手が離れてしまいそうだった。 「目黒って・・・彼氏いるの?」 「いません」 「珍しいな」 先生が手を離して、雪の頭に手をのせた。 先生に触れられるだけで、その場所が熱くなる。 「先生っ・・・」 「目黒っ?大丈夫か?」 クラクラして、先生とともに倒れてしまった。 「大丈夫か??」 私のおでこに手をあてる。 「目黒・・・熱あるぞっ!!」 「うぅ・・・」 もう、思考が働かない。 「目黒っ・・・!!」 意識が遠のいていく―。 「目黒?大丈夫か?」 「城山先生・・なんでここに?」 「目黒・・・ずっと起きないから・・・・」 「ずっと??」 「もう、6時間目まで終わったから」 「えっ・・・、ヤバッ!!美佳は?」 「もう帰ったよ」 「先生、会議とか大丈夫なんですか?」 「副担任だから、家まで送れだってさ」 「でも・・・悪いですよ」 「先生に、遠慮しないでいから」 「はい・・・」 「起きれる?」 「えっ・・・」 そういえば、私・・ベットの上に居るんだったっ!! 「大丈夫です」 「手・・貸すよ」 「ありがとうございます」 城山先生の手を握った。 「さっき・・・送るとか言ったけど・・・まだ・・・車買ってないんだよ・・・ごめんな・・」 「いえ・・」 「いつも・・自転車だから・・」 「いえ・・私・・重いですけど」 「先生だって・・中学の時、陸上部だったんだから・・そのくらいの力はあるよ」 「ありがとうございます・・・」 先生の自転車の後ろに乗る。 「つかまってろよ」 「えっ・・・」 「目黒・・彼氏居ないんだもんな・・・慣れないか・・」 そうやって、先生は私の手を自分のお腹のところを持たせる。 「目黒って・・どこに住んでる?」 「えっと西町です。先生は?」 「その近くにあるよ」 「1人暮らしなんですか?」 「そうだよ。目黒は親御さんと一緒にいるんだろ?」 「はい」 「いいなぁ・・・」 「えっ?」 「なんでもないよ」 前へ |次へ |
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