《MUMEI》 人と人の繋がり 〜そして別れ〜「雪・・・・ごめんな・・・・・・あの日の約束・・守ってあげられなくて・・・・ごめんな」 「森山・・・・?」 「目黒・・・ごめん」 『あの日の約束』って何だったんだろう。 「今日はごめんな」 「ありがとう。私・・死んでたかもしれないから」 「そんな事ないよ。お前なら・・踏みとどまってたはずだよ」 「えっ?」 「本当に死にたい人は・・止めようとしても止められないんだよ。まだ・・・迷ってたんだろ??」 「ぅん」 「迷うなら・・答を見つけ出せるまで・・待てばいいんだよ。答を必死に探し出すことが出来れば・・その時には・・冷静になってるから・・・・・」 「うん」 「もう・・・あんな事はするなよ」 「うん」 「お前・・・学校どうするの?」 「もともと・・転校するつもりだった」 「転校するのかっ!!」 「うん・・・・」 「じゃあ・・・・お前だけに言う・・・実は俺・・・アメリカに行くんだ」 「アメリカ??」 「実は・・俺も心臓が悪いんだ。妹のほうが悪かったけど・・・だから・・・心臓移植を待とうかなって」 「心臓移植??」 「あぁ」 「そっか・・・・お互い・・・別れなんだね」 「そうだな」 「うん」 「目黒っ」 「何??」 「もう・・・・絶対・・あんな事しないでくれ。お前は生きるんだよ・・・・・」 「森山??」 「雪が好きだよ」 「森山??」 「バイバイ、目黒・・・。ありがとう。さよなら」 「待って・・・・」 森山はもう、振り返らなかった。まっすぐ、突き進むように・・歩いた。迷わず、一歩、一歩を踏みしめて。 森山の背中に言う。 「ありがとね・・・・森山・・・・・そして・・・・さようなら。貴方に出逢えてよかったよ」 雪も歩き出した。まっすぐ先へ。止まる事なく・・前へ、前へ進んでいった。森山と逆方向に進んでいった。 「ただいま」 学校を途中で抜けたせいで早く帰ったので家に誰もいなかった。自分の部屋で電話する。 「先生・・・・?」 「さっきのは・・・どういうこと??」 「さっきのって??」 「お前が森山と抱き合ってた事・・・」 前へ |次へ |
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