《MUMEI》 あの日「目黒・・・?」 「先生、ここ分からないです」 「見せてみ??」 先生が顔を近づける。プリントを覗き込んだ先生は、 「あぁ〜そこかぁ」 「何実験ですか?」 「対照実験だよ」 「ありがとうございます」 先生が近くにいる。心臓が取れてしまいそうだ―。 まだ・・先生に思いを伝えてない時・・・毎日毎日・・・先生にドキドキしていた。 「カバーガラスが割れちゃうんですけど・・」 「下手だなぁ」 「だって・・・しょうがないじゃないですか」 私の手を包み込んで、ピンセットを動かす。 先生と私の手が重なっている・・・。暖かい温もりを肌で感じた。 「えっと・・・目黒・・倍率上げろ」 「はい・・えっと・・・」 「レボルバーを動かせばいいんだよ」 「レボルバー??ですか」 「目黒・・勉強してないだろ??ここだよ」 「あっ・・・ありがとうございます」 先生・・・本当言うとね・・・実は・・・先生の言ってる事も耳に入ってなかったんだ(笑)。 前へ |次へ |
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