《MUMEI》
先生
「雪が先生になるのを祝して乾杯」
「うちらも、もう二十四だよ」
 那美と二人で笑った。
 
 私は先生になったんだ。
 燐に最初に出逢ってから・・ずいぶんたった。
 あれから・・私がづっと変わらずに好きな・・教科は・・理科だったから・・・・・理科の先生になった。

 ねぇ・・・・私は燐と同じ道へ歩んで行ってるんだよ。
 そして・・・燐に出逢った時の燐の歳に私がなった。
 燐・・・いつか・・逢えるかな。



「ガラガラ」
 学校の職員室に入る。
「あっ、こんにちは・・七海 流李(ななみ るり)と言います。同じ一年の担任なのでよろしくね」
「はい」
「そうだ・・理科の先生紹介しなきゃね」
「はい・・・」
 この学校には学年ごとに理科の先生が居るみたい。
 だから先生は3人。
「えっと・・3年担当の小高 正樹(こだか まさき)です」
「2年担当の・・・・・城山 燐です」

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