《MUMEI》
命日の再会
「燐・・久しぶりだね、元気にしてる?」
 あれから、もう1年もたったんだね。
 何でこんなに私の時計の針はすぐ進んじゃうんだろう―?
「あたし、26になるよ・・。ねぇ、燐・・・あたしだけ年取っちゃうよ・・」
「あたし・・1人じゃ・・」
「もしかして・・雪?」
「・・?美佳?」
「雪!!」
「え?那美も?」
「そうだよ」
「何で・・美佳と那美が知り合ってるの?」
「あたし達、就職先が同じだったの!それで雪のことで・・意気投合ってわけ!!」
「世界って狭いんだね」
「うん」
「雪・・ここが城山さんのお墓なんだよね?」
「うん」
「あたしは一度も会ったことがないけど・・写真だけ美佳に見せてもらった」
「うん」
「とても素敵な人だね」
「うん、ありがとう」
「雪・・あたしと美佳で話していたの。雪は辛いだろうけど・・雪は強いから・・」
「うん」
「乗り越えられるって・・・」
「でも・・忘れたくない」
「え?」
「燐のことを忘れちゃうのが怖いの・・」

次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫