《MUMEI》
忘れること
「私も・・もう忘れなきゃいけないって分かってるけど・・できない」
「忘れなくていいよ。ずっと心の中に残しておけばいい」
「え?」
「忘れたくないって思ったらいつまでたっても忘れられないし、覚えておきたいなら覚えておいてもいいと思うよ」
「そうだね・・」
「あたし・・城山先生がなくなって聞いたときすごく驚いた。まだ若かったじゃない」
「うん」
「それに・・悲しかった。私も先生として好きだったから」
「うん」
「雪・・雪も城山先生みたいな先生になるんだよ、私達も頑張るからね」
「うん」
 美佳と那美は幼稚園の先生になった。
「燐、また逢いにくるね」
 私は美佳と那美と一緒に帰った―。
「きれいな夕焼けだね」
「うん」
「絶対立派な幼稚園の先生になるぞ〜!!」
美佳が叫んだ。
「絶対園児から愛される先生になるぞ〜!!」
那美が叫んだ。
「燐みたいな・・燐みたいな先生に絶対なるぞ〜!!」
 これは私の心からの夢。
 あんな先生になれたら・・。
 私にとっての憧れの人。恩師。そして恋人―。
「燐、ありがとう」
最後に私は叫んだ。

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