《MUMEI》
あと5日
『あ、杳子!』


『また手掛かりが消えた…真犯人に、先を越されてしまう…』


手の中の幸せは…砂のように…サラサラと言う音を立てて…

途切れなく、そして淀みなく…落ちて行く。そして杳子を追い詰める。


『どうすれば良いの!』


『あと5日…クソッ…こんな事じゃ、埒が開かない。

新聞に、広告を出すんだ!

あのペンダントと、あの紫色の服の少女を捜して貰う広告だ!』


『あと5日…捜して貰う時間は無い。直接出て来て貰わなくちゃ……』


『新聞部の山田くんは原稿を書いて!

それから、紫の服の少女の肖像画を、誰かに頼んで?』


『O・K』


神野先生の証言通りに描いた、肖像画が出来た。

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