《MUMEI》

その時…


ダウウゥゥゥーン!
一発の銃声が、梓の肩を撃ち抜く!


『だ…誰!?』
肩を押さえて、後ろを振り向く。


梓の車の側で銃を構える、榊 巧、だった。


『全て聞いたぞ!観念しろ、甲崎 梓!』


『く…車のトランクに…入って?…くっ』
驚き、悔しがる梓。


『危ない所だった、大丈夫か?』
榊が、紫の服の少女に声を掛けた。


『ええ!』
そう言って〜ウイッグを外す…。


『杳子!!』
叫ぶ、梓。


『女は魔物…どんな風にでも変われると言ったのは、あなた。

南条 ハナエさんの所で教わった、メイキャップはあなたも見てるはずよ。

だけど、榊さんに…

あなたが犯人だ!と言われても…

私は…
私は…

信じてたのよ…
最後の最後まで…』


杳子は涙声で〜握りこぶしに力を込める。

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