《MUMEI》
みずき、と、合流して
居酒屋に行った

地下の店で、硝子の向こうに水が流れてる
滝のように

仕切りがあり、個室風だった

掘りこたつ、みたいになってて、靴履いてないから
落ち着く

けど…俺は、落ち着かなかった

みずき「雅人、どうしたの？」
「さっきから、気になってたんだけど…」

雅人「うん…」

光「実家から、連絡あってから、変なんだ…」

みずき「何でも話して」
「私達は、他人じゃないんだから」

光「そうだよ、雅人」

雅人「うん…」
「親父がね…」

みずき「具合悪いの？」

光「倒れたの？」

雅人「…いや…」
「リストラされたって…」
みずき「…なんだ…よかった、具合わるいのかって…」

光「良くは、ないよ、みずき…」

みずき「あっ、そうね…」「ごめん…」

雅人「大丈夫、みずき、の天然は、知ってるから」

みずき「…だって、具合悪いよりは、いいでしょ…」
光「そうだけど…」

光の顔…なんとも言えない、困り顔？　呆れ顔？　
思わず、わらっちゃった

みずき「…ごめん…」

雅人「みずき、気にすんなよ」

「具合悪いのは、俺だから…」

みずき「雅人？」

雅人「仕送り、出来ないって…」

「しばらくは、この前の示談金があるから、大丈夫だけど…」
「卒業までは…ムリだなぁ…」

光「…あんなにケガして、100万じゃ、安いよ…」

雅人「ゴタゴタするより、いいよ」
「みずき、の件が、決着つくなら…」
「それに、男の顔はケガしても、安いって、弁護士さん、言ってたし…」

みずき「…うん…ごめんね…」

雅人「みずき、が、安心して暮らせるなら、それが一番だよ」

光「どうするの？」

雅人「バイト、鬼のようするしかないな」
「せっかく入った大学、辞めたくないもん」

みずき「雅人、身体、壊さない程度にしてよ…」

雅人「…なりふり、構ってられないよ…」

光「ねぇ…３人で暮らさない？」

みずき「うん、私も、それ、考えてたの」

光「元々、引っ越し考えてたんだ、今のとこは…」

みずき「うん…私が言ったの…怖い思いした場所だから…」
「思い出も、たくさんあるから…戸惑いもあったんだけどね」

光「うん…３人で暮らすなら、前向きに考えられるよね」

みずき「うん」

雅人「…」

みずき「雅人は、嫌？」

雅人「嫌って、訳じゃ…」
みずき「光と、話したんだけどね」
「…雅人が光と、特別な関係に、なれなくても…」
「いいんだよ…」

「私は、２人供好きだし」
「この前みたいに、３人で…出来たら、いいけど…」
「…雅人、気が乗らないなら…ムリには…」

雅人「みずき、…」

みずき「私は、平気よ、雅人とも、光とも…」

雅人「みずき、聞いて…」
光「…」

雅人「今日ね、みずき、待ってるとき…」
「光と、しちゃったの…」
みずき「えっ！！」

光「うん…」

みずき「…ホントに？…」
雅人「うん」

みずき「…」

雅人「恋愛とは、違うかもしれないけど」
「なんて言うか…」
「普通に愛しあえた…」

みずき、どんな反応するかな？

みずき「ずっるーい」
「私をのけ者にして！」

光「のけ者にしてないよ…」

みずき「…帰ったら、私も…する…」

雅人「みずき、だって、光と…」

みずき「あっ…だって…」
光「３人で暮らそうよ」

みずき「うん、そうしよう」

雅人「…」

光「家賃は、心配しなくてもいいよ」

みずき「食費は、私が」

雅人「それじゃ、嫌なんだ…」
「…俺がお荷物じゃん…」
みずき「そんな事…」

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