《MUMEI》

《で? 話とは?》


桜花が幹から姿を現し、俺の隣に並んだ


並ぶと、変わった毛色の人間


コスプレ野郎にしか見えないが…


やっぱり気配が人とは違う


俺とは違う…存在


しかし、櫻は今


桜花に近い気配をしていた


というより…


「櫻の今の体はお前が作ったのか?」


その位


櫻は桜花と同じ気配をしていた


《気付いたか》

「当たり前だ」


俺を誰だと思ってる


伊達に霊と接してるわけじゃない


今の櫻の体は霊体じゃない


実体だ


「本物の… 櫻の体はどうした?」


櫻の、死体は?


《土の中》


「いつ、埋めた?」


《百年前》


…じゃあ、もう腐ってんな


「それで櫻をどう人間にすんだよ」


俺は


その答えを知っていながら


別の答えを


桜花に期待していた

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