《MUMEI》 LAST0→START1(完)ボクは 生きていた…。 家族が そばで 泣いている。 ボクの最期までは 家族に 気づかれない様に してきたのに…。 家族の悲しむ顔を見たくなかったから…。 最期まで 家族にボクの前では ずっと笑顔で いてほしかったから…。 でも ボクの最期の日にはならなかった。 ボクは家族が泣く姿を 見ることになった。 『やだやだ 死なないで』 家族が泣く。 ごめん ごめん ごめん 泣かないで…。 家族は ボクが家族に残した 『遺書』で ボクの犯した 三度目の罪を知った。 それでも家族は がんばって 生きていこうと ボクに言ってくれた。 こんなボクと… ずっと一緒に 生きていこうと 言ってくれた。 本当に いいんだろうか… ボクは ボク自身が許せないのに…。 そう家族に言うと ボクがいないと家族が成り立たない 家族みんなが 幸せになれないんだよ と 言ってくれた。 ボクは 号泣した。 しばらくの間 まわりを気にせず 泣いた… 泣いた…。 すべてが すぐに解決できる わけではない。 すべてが すぐに元には戻れない。 でも ボクは 家族と一緒に生きていこう。 しばらくは 『生かされている』 と思ってしまう 自分と戦いながら…。 ボクは 『ひとりぼっち』 ではなかった。 1番に 頼らなければいけない人は ボクの『隣』にいた…。 こんな近くにいた…。 そんな事に ずっと 気づかずにいた ボク…。 これからのボクの人生。 今日 始まった。 昨日までとは ぜんぜん違う。 外の景色も 知り合いや家族の姿も 流れる時間も… 何も 変わっていない はずなのに…。 ありがとう ありがとう。 ボクの犯した三度の罪… それは…【完】 前へ |
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