《MUMEI》

『普通に考えたら、櫻は俺のものだよな?』


…昭人様?


『あぁ、だが、たまには抱かせてくれないか?』


…旦那様?


『櫻を育てたのは私だ。私の妻にするのは諦めるが、一度位はいいだろう?』


何を


『惨めだな。まぁ、いいだろう』


何ヲ、オッシャッテイルノ?


『兄貴は、どう…』

『ふざけるな!櫻をものみたいに!』


治人様


『だって仕方無いだろう? 兄貴はこの家の後継ぎなんだから』

『…俺はなりなくない! 櫻がいれば他に何もいらない!
だから、昭人が継げはいい!』


…そんな


『昭人には無理だ』


そうです


『後継ぎはお前だ、治人』

そうです、旦那様のおっしゃる通りで…


『嫌だあぁ〜!』


!!


…そんな


『は、治人? お前…』

『ハ、ハァ、…ハァ…』


旦那様と向き合っていた治人様が、昭人様を振り返りました


『後は…、お前が、昭人』


崩れ落ちる旦那様の胸元と


治人様の手元は


赤く


血で


真っ赤に染まっていました

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫