《MUMEI》
決別
蒼は恐る恐る櫻を見つめた。


櫻は小さく首を横に振り、蒼から離れた。


その髪は


瞳と同じ、桜色


それは、櫻が


桜花と同じに


人外の存在になった証


蒼は顔を歪めた


届カナカッタ


救エナカッタ


自分の無力さを、嘆く蒼


櫻は、ただ微笑んでいた


蒼の体を桜吹雪が包みこみ


その姿が、完全に、ここから消えるまでは


そして


蒼が去った後


櫻は、静かに涙を流した


《これで良かったのか?》


問いかける桜花に、櫻は頷いた。


蒼も、櫻も、そして、桜花も


悩んだ結果が、これ、だった…

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