《MUMEI》

それから一週間後。


…何だかな〜


仕事の現場に向かう俺は、複雑だった。


まず、今回の霊は、普通の女の子だって事がおかしい


あの


面食いの先生らしくない!


それに、口数少ないし


ピアスは復活したけど、黒髪のままだし


服装も


清潔感溢れる感じ、だし


『どうしたんですか?』と質問すれば『テメーがこういうの希望してたんだろうが』と睨まれた。


いや、言いましたよ?


確かに言いましたけど、そんなの


俺の意見なんか今まで全く全然聞かなかったじゃないですか!?





小心者の俺は心の中で叫んだ。


「行くぞ、山田」

「あ、はい!」


…ありえね〜


先生は、何と自分で車のドアを開けて現場に歩いていった。


…本当に、どうしたんだ?

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