貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い

《MUMEI》
速水麗那 6
「あのな、速水。お前はいつも河野達と騒いでいるよな?」
 確かに…そうだが、別に担任教師が深夜に家に来るほど騒いでなどいない。いや待て、これが本題?
「そこでだ、まずお前から罰を与えようと思ってだな。こんな時間に訪れた訳だ。生憎、お前の両親は旅行中だろう?」
 冗談!なんで私が?しかも両親がいないからって…えぇ!?何持ってんの?ほ…包……。
 私は、鈍色に光る柄の付いた刃物を見た瞬間に身体が硬直し、動けなくなった。
 そんな私に微笑みながら彼は、ゆっくりと歩み寄り、黒いビニール製の袋を私の頭に被せ私の視界を奪った。
「さようなら。多分、河野達も跡を追うと思うから。心配しなくていいぞ」

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