《MUMEI》 恐ろしい家「ちょっとここで待ってろ。」 少しひらけた場所に来ると、 グレイドは俺を置いて何処かへ飛んで行った。 何しに行くんだろう? 不思議に思いながらも、 おとなしく待つことにした。 辺りを見渡すと、 そこで初めて気付いた。 「凄い……。」 沢山の子供達で賑わっていたのだ。 人間界で言う、 公園みたいなものかな? 子供達は今の俺とそっくりな、 真っ黒の翼を忙しくはためかせて空中で何かしている。 「サッカーかな……。」 見ている限り、 サッカーと同じ動きをしているが、 それでも何か違和感を感じる。 あ、アレだ! ボールがおかしかったんだ。 人間界にいた頃のサッカーボールは大抵が黒と白色で、 円形をしている。 だけど、ここのサッカーボールは全く違った。 円形なのだが、 真っ黒で、 両側に黒い小さな羽が付いていた。 なるほど……。 だから空中で蹴られても、 下に落ちることは無いんだ。 一人関心して頷いていると、 突然そのボールが俺目掛けて降って来た。 前へ |次へ |
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