《MUMEI》
不機嫌なメガネ
学校に向かう

いつもの朝。

「おっす」

「そういう時は『おはよう』だろう」

「いーだろ。つーか大丈夫なのかよ体」

「薬は持って来ているから心配はいらないよ」

「薬? 綾瀬君どこか──」

「ぃゃ、大した事じゃないよ。じゃ、僕はお先に」

「ぁ、うん‥」

千代はポカンとした。

「ねぇ珠季、綾瀬君って病気なの?」

「いんや、ただの貧血だってさ」

「ぇ、綾瀬君貧血持ちなの?」

「まぁ、昨日たまたま話してくれたんだけどな」

「そうなんだ──、全然知らなかった」

「ぁっ、やべっ。チャイム鳴っちまった‥!」

アタシ達は

大急ぎで校門に走った。

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