《MUMEI》
悲劇
今、私の体は震えている。

「今日の午後10時、俺の部屋に来い」

数分前、悠斗に言われた言葉。

しかも、命令口調で。

言われたのは、私が学校から帰ってすぐの事だった。

今日も学校では 、聞かれた事を答えるだけの会話だった。

家に帰りたくないと思いながら帰ると、そんな事を言われてしまった。

勿論、私は行くつもりはない。

ただ、あの日の夜の出来事が、頭の中で繰り返されている。

――行ったらどうなる?行かなかったらどうなる?行きたくない。絶対に行かない。でも、行かなかったら・・・。

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