《MUMEI》

部屋の扉が開く音が聞こえた。

「寝ているのか?」

小声で言ったのが聞こえた。

どんどん近付いて来ているのがわかった。

――来ないで・・・。

そう願い続けた。

でも、その願いが叶う事はなかった。

悠斗は容赦なく、布団をのけた。

私は反射的に目を開けてしまった。

「やっぱり起きてたな」

「嫌!!来ないで!!」

「この俺が諦めるとでも、思ったか?止めてほしければ、言うことを聞くべきだよ」

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