《MUMEI》

「誰があんたの言うことなんか・・・」

「お兄ちゃんに向かって何言ってる?」

「あんたなんかお兄ちゃんじゃないし・・・」

「へぇ、そんな事言うんだ。小さい頃、ちゃんと可愛がってあげたのに」

そうだ。

小さい頃の記憶にいる優しかった悠斗は知っている。

だが、今の悠斗は違う。

私の知っている悠斗はもういない。

そう思いながら、私はずっと抵抗していた。

今度は絶対にやられない。

私は必死に逃げようとした。

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