《MUMEI》

「じゃあ、私は寝るね。おやすみ、お母さん」

「おやすみ」

お母さんはいつもと変わらない。


・・・ほら、やっぱりだ。

お母さんは気づかない。

気付くはずがない。

――お母さんに言えるわけないし、言う気もない!!だから安心して、悠斗。ましてや、お母さんが気付くというのは、ありえないし、気付いてほしいとも、思わないから。


でも、お母さんは、子供の何を見ているのか。

時々、聞きたくなってくる。

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