《MUMEI》

「…で?
何の用だよ?」







場所を近くのファミレスに移した。


恭介が不機嫌で…


ちょっと怖い…







「そんな怒んないでよ。
ね〜小太郎くん?」


「え?


あぁ…


そうすね…。」


さすがに恭介のお姉さんじゃな…


手出しにくいし、


僕に会いに来た理由も何か別にありそう…







「あのね?


恭ちゃんも小太郎くんもうちの練習会に来たことあるよね?」


「うち?」


「あぁ…
姉ちゃん秀皇大学なんだよ。」


「秀皇…?」


よりによって秀皇かよ…


「確かに行ったことありますけど?」


秀皇大学の練習会といえば、


ハンドやってる人たちの中では有名だ。


毎年1回開かれる秀皇大学の練習会。


地元で有名な強豪高校や大学はもちろん、


他県の強豪チームもこの練習会に呼ばれる。


僕たちが高校生の時にも呼ばれて参加した。







「うん。


その練習会がね?


来週の土曜日にあるんだ。」


「はぁ?」


「それでね?
是非海南クラブにも来て欲しいんだ。」


「無理。」


「え?」


「いやいや!!
一応聞いてみよ〜よ!!」


「ふん…。
用はそれだけ?」


「ううん。
あとは小太郎くんにお願いしたいんだけど…」


「…?
なんでしょ?」


「小太郎くんは赤高のコーチやってるんだよね?」


「そうですけど…」


「よかった!!


あのね?


是非赤高も練習会に来て欲しいの。」

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