《MUMEI》 防災ベルが鼓膜をつんざく。 硝子や壁は砕かれ、粉塵が舞い散る。 ちーちゃんが投げたものは爆弾だった。 熱風が吹き、頭上の志島螢がたまに呻いた。 恐らく、破片等が当たったからだ。 煙だけが止まず、辺り一面靄がかかっているようだ。 ちーちゃんに頭上を越えられて行く。 ちゃんと脱出用に小型爆弾を持ち歩くなんて……用意周到ね、ちーちゃん……。 もう次は負けないんだからねっ! 「お遊びは終いだ。」 ちーちゃんの声だけ聞こえた。 今までのは戯れだと言うことは次回からはちーちゃんは本気で私と……いけない、これ以上の妄想は取っておきましょう! ちーちゃんの、足音が遠くなる。 地下道ならちーちゃんより私の方が詳しいわよ……、ふふ、携帯にちーちゃん捕縛スィッチ作っておいて良かったわ。 「千花様、……もうお止め下さい。」 虫けらの分際で私の携帯を壊したわね……! 前へ |次へ |
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