《MUMEI》
真実を教えて【9】
 しばらく笑ってか
ら、優都は急に黙った
純に話し掛けた。

「純?如何したの?」
「え?ううん…ごめ
ん。飛夏羽ちゃん…一
人だよね、って思った
からさ。」

 純の言葉を聞き、全
員が青ざめた顔をして
純を見た。

「えっ?お、俺…変な
事言っちゃった?」

 李麻と零は同時に首
を振って否定した。

「…まさか…」

 優都は腕から点滴を
抜き、それを床に捨て
ると急いで走って行っ
た。

「優都!」

 全員が同時に声を上
げ、優都の後を追いか
けて行った。

 このとき、飛夏羽は
体育館で一人掃除をし
ていた。
ようやく掃除を終え、
帰ろうとした瞬間、飛
夏羽は後ろから翔太に
睡眠薬の染み込ませて
あるハンカチで口を鼻
を塞がれた。

「…うっ…」

 飛夏羽は深い眠気に
襲われ、その場に倒れ
こんだ。

「何日放置するの?」
「5日間。」

 克哉の言葉を聞い
て、全員が驚き克哉を
見た。

「おまえっ、バカ言う
な!五日間も無理に決
まってんだろ!」
「だって飛夏羽ちゃ
ん、体育会系だろ?」

 克哉の暢気さに呆
れ、全員が溜息を吐い
た。

「とにかく、それで
弱った所を襲う。最高
じゃねぇか。」

 翔太はニヤッと笑う
と、飛夏羽を抱き抱
え、使われていない体
育館倉庫に、飛夏羽を
入れ、鍵を閉めた。

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